三日月と獅子、そして太陽

主に、訪問した展覧会について、感想を書くブログです。

青江三奈を感じながら

知り合いのメタルバンドのボーカリストから紹介を受け、今回初めてみる、吉岡里奈さんの個展に行ってきました。メタルバンドからの紹介っていうのが良いですね。

 

f:id:Hirolyn:20211012115920j:plain

 

吉岡里奈個展
「大阪ニューロマン」
2021.9.18(土)-10.3(日)
※火・水曜日定休日
13:00-19:00  
大阪シカク

 

「ロマン」それは感情的、理想的に物事をとらえること。また、夢や冒険などへの強い憧れをもつこと、だそうです。作者にとっての、夢の大阪を描いたという今回の個展。大阪への妄想・理想・現実が綯い交ぜとなった強烈な表現。強めの化粧品の匂い、煙草やアルコールの匂いをも上書きしてしまう大阪の「食」の力強さと、そこに携わる「大阪人」の強烈な個性が、ユーモラス描かれている様に見えました。関東から見ると、やっぱり大阪ってそういう風に映っているのかな…?

 

昭和のムードを好んで描いているという、吉岡さん。一瞬、昭和のお色気雑誌の表紙(苦笑)を思い起こさせます。でも、探してみると、こういうタッチのイラストは案外見つからなかったりするんですね。彼女なりに、いかがわしい昭和の風俗や文化(苦笑)をきちんと消化し、自分のモノにしていることが分かります。

 

コントラストが高く、鮮烈な印象のイラスト。そこに違和感を感じる人もあれば、昭和という時代の、正負が入り混じったエネルギーを見出す人もいるかな…と。昭和から昭和の香りが強く残っていた2005年頃までって、今ほど情報に溢れていなかったんですよね。だから、最初に見聞きした人の、強烈に印象に残った部分だけが誇張され、そして周囲に伝聞される。それが昭和という時代の情報伝達だったのかもしれません。それがイラストにも表れているような。

 

最後に、この個展を見た知人が、「青江三奈さんに似ている!」と言うのを聞いて、彼女が歌を聞いてみたのですが、「ああ、確かにこれは青江三奈さん!」と納得。きらびやかで強烈な色彩で描かれる一方で、でも、どこかしら陰を感じる吉岡さんのイラスト。今度は青江三奈さんの曲を聞きながら、見てみたいと思いました。

 

rina-yoshioka.jimdofree.com

 

uguilab.com