三日月と獅子、そして太陽

主に、訪問した展覧会について、感想を書くブログです。

Vibrant

坪田昌之さんの展示、風と波の跡を刻み、記憶するかのようなキューブ。なぜか懐かしい感覚を覚えた作品と出会いました。

 

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坪田昌之展
「Vibrant field」
2021.9.1(水)-9.14(火)
11:00-18:00  ※最終日は16:00まで
ギャラリー島田 B1F un

 

空間に並ぶキューブ。
それは、波に運ばれた砂に洗われ、波食されたのか。
あるいは、風に運ばれた土に削られ、風食されたのか。


キューブが並び、作り出している空間に、何故か懐かしさを覚えました。私の出身地は、非常に微妙な田舎で、懐かしさを覚えたのは、そのとき、そこで感じた波や風の生み出す佇まい思い起こさせたから?いや、なんだか違うな。

 

じっくり見ていると、思い出したのが1冊の本。当時、徐々に世に出ていた、擬似的に3D空間をPC上で再現するプログラムの本でした。当時、徐々に疑似3D空間を再現するゲームが出てきた頃。当時はワイヤーフレームと呼ばれるものが主流で、めちゃくちゃ粗いポリゴンが少しずつ出ていた頃でした。


タイトルの「Vibrant」は、さまざまな意味を内包している言葉です。震える、震動する、響き渡る、鮮やかな、きらめく、活気に満ちた、すぐに反応する、敏感な、ぞくぞくするような、スリリングな…並べてみると実に面白い!


もしかすると、当時は萌芽したばかりで、挑戦的な分野であった3Dグラフィックから感じとっていた、ぞくぞくする活気に満ちた空気と同じものを「Vibrant field」から感じたのかもしれません。


実際には、なぜ「懐かしさ」を覚えたのか、まだ自分の中では消化しきれていないのですが…また坪田さんの作品と出会うことが出来たら、もう一度対話してみようと思います。

 

gallery-shimada.com